発達障害

発達障害の研究協力を続けていたらNHKスペシャルに出た話

″2017年5月21日”


それは私にとって特別な日。

NHKスペシャル
『発達障害 ~解明される未知の世界~』


が全国放送された日であり、
この番組をきっかけに発達障害の認知が世の中に一気に広がりました。

私はこの番組に少しだけ出ています。


今回はNHKスペシャル(略して”Nスぺ”)に出た体験談を書きました。

こんな人へ向けて書きました
  • Nスぺに出た理由が知りたい
  • 撮影はどんな感じだった?
  • 実際の放送はどうだったのか知りたい

Nスぺに出たきっかけ

まどり

発達障害の研究協力を続けていたらNスぺに出ることになりました

ある日、夫のケイさん宛に
以前2人そろって研究協力した大阪大学のN先生(当時)からNスぺ出演(取材)依頼が来ました。

取材日の3日前に……笑

内容は、
N先生が研究を進めていた「視覚シミュレーター測定(発達障害の人の見え方を測る)」実験をNHKが撮影したいので、発達障害当事者として出てくれないか、との事。


が、

ケイさん

テレビに出るのは嫌だ。
それに俺は視覚過敏(見え方)で困ってない。
むしろ困っているのはまどりでは?

ケイさんからそんなことを言われ、
N先生に相談するとぜひ代わりに私に出てほしいと。


テレビに出る、
しかもNスぺといえばNHKの長年の看板番組の1つ。

放送時間的にも(日曜夜9時)注目度も大きい。

全国に自分の顔などが知れ渡るかもしれず。

依頼の連絡が来たのが取材日(3/25)の3日前だったので、じっくり考える時間も余裕もありませんでした。

まどり

テレビに出た後が想像できない
ちょっと怖いな…


両親からは反対。
近所や周りに「(発達)障害者」の娘がいると知れ渡る、と(;^ω^)


ただ私は、ケイさんに話を振られた時
すでに8割がた出ようと思っていました。

NHKがついに本腰を入れて1年間、NHKのあらゆる番組で発達障害の特集を放送した「発達障害プロジェクト」。

そのスタートの番組(Nスぺ)に出ること、
発達障害当事者の私の長年の困りごとである「視覚過敏」を世の中に知ってもらう、またとない貴重な機会。


恩人に相談して背中を押してもらいました。

社会的意義は大きいですね」
と言われました。


発達障害に貢献したい気持ちと、好奇心と承認欲求もあって笑、Nスぺに出る返事をしました(名前出しNG、顔だしOKの条件つき)。

【発達障害】研究協力のススメ【自分を知る】 私も夫も、発達障害を持つ夫婦です。前回の記事で「自分を知る」についてざっくり触れました。 https://decoboco-fu...

いざ撮影本番

2017年3月に、東京大学で撮影(取材)が行われました。

当時障害者雇用2社目で働いていて
年度末の激務のピーク。
心身共に疲れ切っていた週末の撮影でした。

障害者雇用で働いてみた② まどりのケース2社目【ブラック企業と気づき】 まどりです。『障害者雇用で働いてみた②まどりのケース2社目【ブラック企業と気づき】』では、2社目の障害者雇用をふり返ります。私の体験談...


ケイさんも一緒について来てもらい、
大阪大学のN先生(当時)とも久しぶりに再会。

事前にNHK『あさイチ』ディレクター(当時)Mさんと、
今回の番組の趣旨や、発達障害の特性や視覚過敏についてメールのやりとりをしていたので少しだけ安心感を持って撮影に臨めました。

Mさんから撮影の流れ等の説明を受け、同意書にサイン。

メンバーは計5人。
N先生、ディレクターMさん、カメラマンの方、音声の方、私、(+付き添いのケイさん)
こじんまりとした撮影だったのも余計な緊張感を持たずに済んだのかもしれません。

このNスぺは『あさイチ』のスタッフが制作したみたいです。
Nスぺの司会も、当時『あさイチ』の司会だった有働アナといのっちでした。


N先生の研究「視覚シミュレーター測定」実験をN先生と私で(だいぶ端折って)再現し、その風景を撮影していきます。

東大のろう下をN先生と一緒に歩き、
実験が行われる研究室(と仮定した部屋)へ入るところから撮影スタート。

2度撮り直したところで(テイク2)、
“取材を受けている感”を抱き始めて緊張してきました。

肩に大きなテレビカメラを載せたカメラマンの方がすぐ横で撮影するので、気が散ったな(;^ω^)

トータル約30分の撮影。
意外と短く終わりました。

謝礼に『あさイチ』のロゴ入り保温容器などをいただきました。

まどり

保温容器は姪っ子が使っています

そして放送へ

2017年5月21日(日)

朝7時 『おはよう日本』

夜9時のNスぺの番宣のような発達障害の特集が約7分放送され、
私は2分程テレビに映し出されました。

まどり

自分の姿をテレビで見るのは想像以上に恥ずかしいーー

2分なんてあっという間ですが、
自分が出ているとめちゃくちゃ長く感じました。

また番組放送1週間以上前から、NHKでNスぺの番宣がバシバシ打たれ、激務で疲れ切った私の姿がそのたびに映し出されておりました…笑

NHKがNスぺにチカラを入れていたのがヒシヒシ伝わってきたな。

事前にどんな放送内容になるかほぼ知らされませんでした。
漏えいの問題もあり、自分が映るシーンはもちろん、当日の放送をもっての初見となりました。

そして夜9時

『NHKスペシャル』がスタート。

生放送でした。

私は冒頭の1~2分ほど出ていました。
「視覚過敏」の代表のようなカタチで。

取材の時に答えた
「子どもの頃から(粒子が)見えていたけど、気のせいと言われて周りに分かってもらえなかった」

など私が伝えたかった困りごとがしっかり放送されました。

テレビに映る自分の姿はとても恥ずかしかしく、
当時もぽっちゃりしていてこの時もダイエットを決意したっけ笑。

内容は
よくある「才能ある発達障害者」の特集ではなく、
私を含め発達障害当事者たちのありのままの姿・困りごとが映し出されていました。

また、これまでほとんど焦点があてられなかった「感覚過敏」について、かなりの時間が割かれていました。

聴覚過敏の高校生、視覚過敏の私。

まどり

これまでの発達障害番組とは一線を画した想像以上にいい番組でした

https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170521

NHKスペシャル
『発達障害 ~解明される未知の世界~』

反響

放送終了後、職場の人や家族、知人から
「発達障害のことを知っているつもりだったけど、(NHKスペの内容は)全然知らなかった」
「こんな風に(世界が)見えていたなんて、大変だったね」

などの反響をもらいました。

尊敬する前職の上司からも
「とても意義深い番組でしたね」
と言われて、勇気を出して出てよかったな、と。

ツイッターやネットでも話題になっていて嬉しかった。

さまざまなコンテンツで展開される

私が受けた取材はNスぺのほか、複数の番組で放送、インターネット配信(オンデマンドで1年間配信)、そしてNスぺの内容+取材内容をまとめた本も出版されました。

約30分の短い取材でしたが、変なカットもされず偏らず、最大限余すことなく活用された感じです。

コンテンツを見て、ディレクターMさんをはじめ、番組制作に携わった方たちの誠実さと情熱を感じました。

番組終了後、Mさんから届いたメール(抜粋)

感覚過敏は「見えづらい障害」の代表的な症状であるとともに、周囲の理解のあるなしによって、当事者の皆さまの生きづらさが大きく改善される可能性があると思っていました。
今回の番組(Nスぺ)が少しでも社会のありようを変えるきっかけになればと思っております。

さいごに 2017年は「発達障害元年」

まどり

結果的にNスぺに出てよかった


番組は大変わかりやすく、反響も想像以上でした。

このNスぺ放送を皮切りに、
NHKは2017年5月から1年間、発達障害の特集をあらゆる番組で放送しました(発達障害プロジェクト)。

追随して(?)民放でも発達障害の番組が多く放送されました。
ネットや雑誌などの情報媒体でも発達障害特集を多く見かけるようになりました。


2017年は、世の中の発達障害の認知が一気に広がったと肌で感じました。


個人的に2017年は「発達障害元年」だと思っています。

2005年の発達障害者支援法でようやく大人の発達障害者が「障害」と認められ、そして2017年、NHKが1年間も発達障害の番組をたくさん放送してくれた。
おかげで、ようやく本格的に多角的にメディアに発達障害が取り上げられるようになりました。

「見えない障害」
である発達障害は誤解されることの多い障害で、まだまだ無理解や偏見に当事者が苦しめられることがあります。

個人差が大きすぎることも誤解や偏見の原因です。

次の段階は、
この個人差の大きさや環境整備の大切さなど正しい認識が広まることを願っています。

当事者の私も誤解することがあるので本当に難しいのですが…
これからも発達障害の勉強&自分のできる範囲で発達障害に貢献していきます!

まどり

ここまで読んでくれてありがとう。
そしてNHKありがとう。